2011年1月31日月曜日

大阪梅田小売大戦争!!

 JR大阪駅北側に2011年5月4日開業するファッションビル「ルクア」の概要とテナントが発表された。ルクアはJR大阪三越伊勢丹などが入居する 「ノースゲートビルディング」の地下1~10階にオープンし、店舗面積は2万平方メートル。20~30代のトレンドに敏感な働く女性をメインターゲットと し、梅田地区最多の198店舗が集結する。

第一次商圏は大阪府高槻市から兵庫県芦屋市までと北摂から難波までのエリアに設定。そのうちの約248万人の男女をターゲットに「手の届く贅沢、高感度で洗練されたライフスタイル」を提案する。また、「ここにしかない価値を提供する梅田地区でナンバーワンのファッションビル」をめざす。

初年度売り上げ目標は250億円、入店客数は1900万人を想定。日本有数の激戦区となる梅田に新規開業することについて、同ビルを運営するJR西日本 SC開発の中山健俊社長は「ルクアはまったくゼロからのスタート。北ヤードの開発が2年遅れたことも大変な痛手になった。2年後は大阪駅北地区の中心にな り、追い風が吹くと思うが、それまでどう戦っていくか。危機感を持って取り組んでいる」と語った。

北ヤードを中心に再開発が進む大阪梅田地区では、今春から来春にかけて百貨店の改装、新規開業が続く。2011年3月にはJR大阪駅南側の「サウスゲー トビルディング」に大丸梅田店が増築オープン。ルクアの西側にはJR大阪三越伊勢丹も同時開業する。さらに2012年春は阪急百貨店梅田本店が日本最大級の百貨店としてグランドオープン。既存のファッションビルや商業施設を巻き込み、小売りの大激戦区になるのは必至だ。

そんななかでルクアは、これまでのファッションビルとは一線を画す戦略で生き残りをかける。「社員自らが市場調査し、計画して実行する。これを愚直に続 けてきた」(中山社長)。加えて、他店との同質化が避けられない商品よりも、販売サービス、運営などソフト面に力を入れ、他店と差異化を図る考えだ。

社員自ら市場調査からテナント誘致、教育まで手がける

「梅田にある数多くの小売りのなかから一番に選んでもらえるファッションビルを作りたい」(中山社長)。ルクアの店舗づくりはこの思いからスタートした。思いを実現するために、従来のファッションビルとは異なる取組みを行っている。

通常、商業施設の開発は外部のコンサルタントや調査会社などに依頼することが多い。しかし、ルクアでは社員自身が市場調査から基本コンセプトづくり、商 圏設定、ゾーニング、テナント誘致までの大部分を行った。またターゲットと同世代の女性社員8人の意見を取り入れるなど、外部に依存しない施設づくりをめ ざしている。

運営体制においても同様だ。多くのファッションビルではシーズンやオケージョン(購買機会)などの打ち出しが店舗ごとに行われているが、ルクアでは全館で統一して訴求することにより集客力を高めていく。

さらに専任のフロアマネージャー11名を各階に配置。顧客の要望や不満を把握し、店舗とのコミュニケーションを図る窓口としての役割を担う。接客サービ スやVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)の教育担当も専任4名を配置し、サービスレベルの向上を図っていく。社員研修も充実させ、社員自身が365 日店舗にアドバイスができるような体制をめざしている。

注目は「レディス・メンズの複合ショップ」新業態24店舗、関西初出店118店舗を導入

「社員自ら調査し、分析した結果、梅田地区の顧客はトレンド志向、カジュアル志向が強く、カップルでの来店やついで買いが多い。一方で、新たな発見や店舗、街感が欠如しているという声も多かった」と語るのは、同社開発部の藤岡秀樹部長。この結果に基づき、梅田地区に足りないものを検証したうえでMDを設定したという。

まず、ファッションビルとしての強みを発揮するため、全館の約6割をファッション系店舗で構成。1~5階がメインターゲットのレディス・メンズのフロア、6階は戦略ターゲットと設定したヤングレディスのフロア、7階はサブターゲットのメンズフロアとなっている。

なかでも注目なのがレディス・メンズの複合ショップの集積だ。カップル客のニーズに対応し、大手セレクトショップの旗艦店や海外ストリート系ブランドの大型店を集積。約4300平方メートルという梅田地区最大規模で展開する。

全198店舗のうち梅田初出店は118店舗。全国初出店24店舗を含め、関西旗艦店や新業態など、話題性と集客性のある店舗を多数導入しているのも大きな特徴だ。

全国初ではアッシュ・ペー・フランスがプロデュースする新ブランド「ear」や「SWATi」が手がける雑貨のセレクトショップ「ラ ブッシュリー ドゥ スワティー」、関西初ではロンドン発のハイストリートブランド「トップショップ/トップマン」、東京コレクションで話題の「ファー ファー」などが注目される。また「ビームス」「ジャーナル スタンダード」など人気セレクトショップが関西旗艦店としてオープンしている点も見逃せない。

●レディス&メンズ大型店アーバンリサーチ(梅田初)、トップショップ/トップマン(関西初)、ディーゼル(関西旗艦店)、トゥモローランド(関西旗艦店)、ル ドーム エディフィス エ イエナ(関西旗艦店)、ビームス(関西旗艦店)、ジャーナル スタンダード(関西旗艦店)、アメリカンラグ シー

靴、コスメ、生活雑貨のゾーンは比較購買のニーズに対応し、アイテムごとに集積した。このゾーンは本来、ファッションビルが苦手なジャンルとされている が、4階に靴、地下1階と8階にコスメ、8、9階に生活雑貨といった具合に各フロアに集積。「いろんなブランドを見てから買いたい」というターゲット層の ニーズに応えていく。

●注目ブランド靴:オデット エ オディール ユナイテッド アローズ、グラップ バニスター、ダイアナコスメ:H&Bプレイス、テラクオーレ コレッツィオーネ生活雑貨:無印良品、フランフラン、ダブルティー、ロフトスイーツ・フード:クリスピー・クリーム・ドーナツ、グロム、ドミニク・サブロ ン マルシェ・エ・カフェ

「梅田にはターゲット層が行きたいと思う飲食店が少ない」ことから、10階のレストランフロアには、女性利用を意識した人気店16店舗が出店する。大阪 のイタリアンの名店が新たに展開する「エキ ポンテ ベッキオ ア オオサカ」のほか、有名焼肉店「叙々苑」が関西初出店。また、落合務シェフ監修のパスタ店「ヴィ ヴィ ヴェルデ」も全国初店舗となる。レストランフロアはJR大阪三越伊勢丹と直結しており、案内パンフレットは共同制作した。

他には、9階に三省堂書店とスターバックスコーヒーが初めてコラボレートする「ブックス&カフェ」が登場。7階には男性客のためのグルーミングサロン 「ヘアーズゼノン」が全国初出店するなど、従来のファッションビルにはなかった新業態もお目見えするのでぜひチェックしておきたい。

大阪最大、そして最後の一等地、梅田北ヤードの一角の第一次出店内容が明らかになりました。 関西初の店舗、日本初の店舗も多く、すごく楽しみです。既存店との競争、切磋琢磨で、今ひとつ景気の元気がない大阪が活気づくことを期待したいです。

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