2011年2月15日火曜日

「プリウス」売りすぎた?!

   1年8カ月に渡り月間新車販売ランキングのトップを堅守したトヨタ自動車「プリウス」がついに1月の販売台数でホンダ 「フィット」に首位の座を明け渡した。台数差は約1千台の僅差だったが、プリウスの陥落により「ハイブリッド車さえ売れなくなってしまったのか」と落ち込みが続く国内市場を嘆く声も聞こえてくる。

   プリウスは2011年1月の新車販売でダイハツ工業の軽自動車「ムーヴ」にも抜かれ3位に後退。エコカー補助金終了による反動がいよいよハイブリッド車(HV)にも波及してきたかに見える。


「年末に多少、無理な売り方をした」

   ただ、一連の順位変動についてトヨタ、ホンダの両陣営はともに冷静な見方している。

   「もともと1月のトップは諦めていた」とトヨタ系列の販売店関係者が胸中を明かすように、販売現場ではフィットの首位奪還は当然の結果として捉えられている。

   その理由は「プリウスは年末に多少、無理な売り方をした」(トヨタ系列販売店)ことにある。

   2010 年1~12月で31万5669台を販売し、1990年にトヨタ「カローラ」が樹立した30万8台の年間販売記録を20年ぶりに更新したプリウス。トヨタは 年間販売記録の更新とともに、一年を通じて月間販売ランキングの首位を維持するというプリウスの「完勝」を狙っていた。

今年もプリウス・フィットの首位争い過熱しそう 

   2010 年10月の「フィットハイブリッド」発売を機に、プリウスとフィットの台数差は急速に詰まり始めた。波に乗るフィットとの販売競争を制し、年間販売記録と 連続首位を手にしたプリウスだが、年明け以降の失速は免れず、1月の月間販売であえなく3位に転落。プリウスは「売れなくなった」のではなく、皮肉にも 「売りすぎた」ことが首位陥落の要因になった。

   エコカー補助金終了の反動が懸念される国内市場だが、首位奪還を果たしたフィットの販売構成比も5割以上がHVモデルとなっており、HVが依然として根強い人気を維持していることがわかる。トヨタとホンダは、ともにワゴンタイプの新型HV を今春に発売する計画。今年もプリウス、フィットの首位争いが過熱しそうだ。

年明け1月の販売台数首位交代は年末に「売りすぎた」ですか?!  それにしてもハイブリッド人気はますます加速しそうです。今後、ガソリンエンジンのみ車はもう首位を獲ることはないような気もします。ガソリンエンジンのみでハイブリッドを凌駕する低燃費車が出現すれば別かもしれませんが、自動車メーカーもそのような開発に力を入れるくらいなら燃料電池車等の開発に心血を注ぐのではないでしょうか。

2011年2月13日日曜日

「プロボノ」 企業も後押し

 コンピューター企業のソフト開発、金融機関の財務管理…。民間企業の社員が仕事で培った経験や知識を生かし、NPO(民間非営利団体)などを支援するボ ランティア活動「プロボノ」が浸透してきた。利益ばかりを追求する働き方を見直す機運の高まりなどが背景にある。企業が組織的に後押しする動きも出てお り、社会貢献活動の新しい形として認識され始めた。

「ベンチャー企業の志が刺激になった」「自分の仕事が形になり感動した」

NECが今月、プロボノで支援した企業2社を招いて開いた会合。出席したNECの若手社員は、支援先から活動報告を聞かされると一様に目を輝かせた。

NECは昨夏、プロボノチームを作った。メンバーは若手中心の15人。支援先の1社は、採血による健康診断事業を首都圏で展開するケアプロで、もう1社 は農業の収益性向上に向けて高糖度トマトを生産・販売するオリザだ。それぞれ医療と農業の構造問題解決を目指す社会起業家が作ったベンチャー企業だ。

NECはケアプロの顧客情報をデータベース化。診断結果を時系列でグラフ化し、健康状態に応じて診療所を紹介する携帯電話向けプログラムも作った。4月から本格稼働し、ケアプロの川添高志社長は「顧客や広告収入の増加につなげたい」と意気込む。

オリザ支援では、休日に栽培現場を訪れ、農業専門家にも取材してホームページを刷新。NEC側責任者の小林義明氏は「仕事で接点のなかった農業政策の問題を共有できた」と語る。

2000年代以降、欧米で広がったプロボノは、金融機関などの「金もうけ主義」への反発もあって拡大し、日本でも注目されるようになった。希望する個人をNPOなどに仲介する特定非営利活動法人「サービスグラント」(嵯峨生馬代表)の昨年の登録者数は約650人と、前年の2・5倍に急増している。

最近は企業も積極的に参加。ゴールドマン・サックス証券が女性社員中心のチームを作って教育・子育て関連のNPOの財務の見直しを支援しているほか、日本IBMも教育関連のNPOを支援している。

企業側にすれば、社員のやる気を引き出すと同時に取引先開拓やイメージアップも期待できる。サービスグラントの嵯峨代表は「寄付など従来の社会貢献事業を一歩進めた新しい形のボランティアで、地方にも広げたい」と話している。

【用語解説】プロボノ

仕事上の経験や知識を生かしたボランティア活動。ラテン語のPro Bono Publico(公共善のために)が語源で、米英の弁護士が始めた無料法 律相談が始まり。資金力や組織力に乏しいNPOや、社会問題解決のためベンチャー企業を起こす「社会起業家」らが支援先となる。

社会貢献活動にNPO法人等への寄付や助成金を拠出する企業は多くありますが、「プロボノ」はそれより踏み込んだ支援となってます。お金ではなく 知識を無償提供する・・・。支援される側は欲しい専門知識が得られるわけですし、支援する企業側にとってもそれは支援効果をよりはっきりと確認できるのではないでしょうか。

2011年2月12日土曜日

もう使えないギフト券

 昭和53年から発行されている文具券が、昨年の12月31日で使用できなくなった。未使用分については、1月12日から3月13日までの間に、加盟店に 設置されている「払戻申込書」に銀行口座などを記入したうえで未使用の文具券を同封し、日本文具振興株式会社宛に郵送すれば払い戻しを受けることができ る。その際の切手代と振込手数料は、日本文具振興株式会社が負担してくれる。

また文具券のほかにも、昨年の7月には、首都圏のバス事業者が発行していた「バス共通カード」が利用停止をしており、日本フラワー振興協会の「花とみどりのギフト券」や、ジャパン・ミュージック・ギフトカードの「音楽ギフトカード」なども利用停止している。

このように、利用停止を決めた商品券が増えている背景には、昨年の法改正がある。それまで商品券やギフト券などの発行について規定していた「プリカ法」 では、利用停止後の払い戻しに関する規定が無かったため、利用停止にすると最後まで払い戻しに応じなければならなかった。しかし、これでは発行会社の負担が大きく、企業は利用停止を決めかねていた。

一方、新しく施行された「資金決済法」では、払い戻し期間を最短60日と定めた。これによって、利用停止後の費用負担が軽減されるため、利用が低迷していた商品券の利用停止が相次いだとみられる。

「バス共通カード」については、2015年7月31日までに手続きをすれば、払い戻しを受けることができるが、「音楽ギフトカード」と「花とみどりのギ フト券」は、払い戻しの申込期間が過ぎている。払い戻しの申込期間を過ぎてしまうと、有効期限内のものでも、払い戻しを受けることができなくなる。

また「音楽ギフトカード」は2010年9月1日から10月31日までの間、資金決済法に基づく払戻しを行った。さらに、2010年11月1日から同年 11月30日までの間任意の払戻しを行っている。その間に清算手続を開始し、2011年2月1日にて債権の申し出を終了したため、換金の手段は無くなってしまった。

「花とみどりのギフト券」は、払い戻しには応じないものの、2011年1月15日から5月31日までの間に手続きをすれば、現在発行されている有効期限が付いた「花とみどりのギフト券」との交換に応じてくれる。

文具券は、昨年末現在で未使用の券が780万枚(39億円分)あるといわれており、周知徹底がされていないまま利用停止となることを問題視する声も上がっている。金融庁はこうした事態を受け、利用停止の事実や未使用券の払い戻し期間の周知徹底を、発行者に要請する方針を決めた。消費者が混乱を起こさないよう、十分な周知と、誠実な対応を期待したい。

知らぬ間にそんなことになってたの?・・・って思う方も多いと思います。不人気等の理由で利用停止になるのは仕方のないことではありましょうが、払い戻し期間なんて知らなかったよ~!という声が上がらないよう、発行元は気を遣うべきですね。