2010年12月7日火曜日

学力、日本改善、トップは上海

 経済協力開発機構(OECD)は7日、65カ国・地域で約47万人の15歳男女(日本では高校1年)が参加した国際学力テスト「学習到達度調 査」(PISA)の09年実施結果を発表した。読解力、数学的リテラシー(活用力)、科学的リテラシー(同)の3分野の調査で、日本は読解力では前回 (06年、57カ国・地域参加)の15位から8位と順位を上げた。数学は10位から9位、科学は6位から5位とわずかに上昇。一方で初参加の上海が3分野 すべてで1位となったほか韓国、香港、シンガポールも全分野で上位を占め、アジア勢の台頭が目立つ結果になった。

調査には、上海のほかシンガポール、ドバイなど8カ国・地域が新たに参加。日本では無作為に抽出された約6000人が、3分野のテストと学習環境などの アンケートに回答した。中国、インドは「言語が多様なことなどから全国一斉テストの実施は難しい」とOECDの参加要請を断った。上海、香港などは自主参 加だった。上海がトップを独占したことについて、OECDは「中国で最も教育改革が進んでおり、同国全体の平均を表しているわけではない」とコメントし た。

日本の調査結果の変遷は、読解力が00年8位、03年14位、06年15位で、今回調査で00年レベルに改善。数学は00年1位、03年6位、06年 10位。科学は00年2位、03年2位、06年6位で今回調査でいずれも下げ止まりの兆候が見えた。だが、得点によってレベル1未満(最下位)~レベル 6(最上位)までに区分された階層のうち、文部科学省が「社会生活に支障が出る」と判断するレベル1以下の生徒が、読解力13.6%、数学12.5%、科 学10.7%に達するなど、学力格差は依然解消していない。

読解力では上海、韓国、香港、シンガポールが上位5位に、数学ではこれに台湾も入りトップ5を独占。日本を上回る結果で、教育先進圏の位置づけが明確になった。これまで各分野で1、2位を占めて話題になったフィンランドは、数学で6位に後退した。

学習環境に関するアンケートでは、社会経済文化的背景として(1)自分の部屋(2)インターネット回線(3)DVDプレーヤーなど7項目を所有しているかどうかを質問。所有比率が高いほど得点も高く、親の経済状況が子供の学力に影響を与えている可能性も示した。

日本の学力衰退が懸念されていましたが、ここにきて復活に兆しみたいですね。脱ゆとり教育の奏効でしょうか。上海の高学力ぶりには、”中国全体の平均を表しているわけではない”との見解ですが、何かこう、イチャモンとも取れなくもないような気もします。確かに都市部以外にも高学力化が波及するのは、国の大きさや人口の多さからまだまだ時間はかかるでしょうが将来的にはやはり恐るべし中国!です。

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