2011年1月14日金曜日

ダイハツ、13年に欧州から撤退

ダイハツ工業は14日、欧州市場での新車の販売を2013年1月31日で終了すると発表した。欧州経済の低迷で販売が落ち込む一方、環境規制の強化や円 高でコストが増大しており、事業継続のメリットは少ないと判断した。今後は経営資源をアジア市場に集中し成長につなげる考えだ。

同社は1960年代に欧州市場に参入。現在、ドイツやオランダ、ギリシャ、イタリアなど10カ国に軽自動車「クオーレ(日本名はミラ)」や小型車「シリ オン(同ブーン)」など5車種を販売している。現地で販売契約を結ぶディーラーは約1000社あり、今月13日に販売終了の通知を始めた。

同社の欧州での販売台数は07年の5万8600台をピークに減少。10年は1万9300台まで減少。海外販売台数に占める割合は5・3%にとどまってい る。さらに、円高で輸出採算が悪化しているほか、12年から段階的に強化される自動車の二酸化炭素(CO2)排出規制に対応するためのコスト負担も避けら れない状況となっている。

同社では「今後、日本生産の完成車の輸出では事業が成り立たなくなる。欧州に工場は持っておらず、撤退しても事業全体への影響はほとんどないため、今回の決定に至った」と説明している。

欧州以外の10年の海外販売台数はインドネシアやマレーシアを中心とするアジアが30万8000台、中東が2万1000台、アフリカが1万台、中南米が5000台、オセアニアが400台と、アジアが突出している。

0 件のコメント:

コメントを投稿